2007年09月05日 (水) | 編集 |
子どもにお金(お小遣い)を与えると
万引きのようなお金の問題を起こす原因になるのではないか、
というご質問を多々受けます。

結論から述べると
お金(お小遣い)を子どもに与えるから万引きをするのではなく
お金の与え方や子どもとの関わり方が間違っているから万引きを起こすのだ
というのが私の意見です。

社会の中でお金がどのような役割を担っているのか
そのしくみも意味も教えずに
ただお金を与えるだけでは
子どもは“お金を使うこと”だけを覚えます

その結果として「お金さえあれば何でも手に入る」という拝金主義に陥り
さらには物欲に溺れ、万引きのような犯罪行為に至るのです。
また、モノが欲しいわけではなく、
ゲーム感覚のように万引きをする事例も多いようですが
この場合も、社会システムを理解できていないからと言えます。

今、公立校では親のクレームを避けるためなのか
とかく子どものトラブルを回避する方向にあります。
ドッジボールもバレーボールもバスケも、
突き指や怪我のもとになるから
授業ではソフトタイプのボールを使わせるとか
サッカーはケンカのもとになるから休み時間中は禁止というような
愚かな方針が採られています。
(これは我が子が通う地元の小学校の実例です)

どうすれば突き指をしないようにボールをキャッチできるのか
どうすれば上手にボールをよけられるのか
こういうことは、何度も失敗を繰り返しながら体得していくものです。
にもかかわらず、危ないという理由で
子どもに安全なことばかりさせていては
子どもの運動能力は鍛えられません。

子どもの反射能力や運動能力の低下が問題になって久しいですが
これでは、さらに拍車をかけるばかりです。

そして、問題を起こしそうだから子どもにはお金を使わせない、
という考え方は
これと全く同じ発想であると断言できます。

私たち親世代が子どもだった頃とは比べ物にならないほど
現代はモノが溢れた消費社会です。
購買意欲を掻き立てるCMやテレビ番組、雑誌の情報などに晒されているのに
子ども達自身に、必要なもの(Needs)と欲しいもの(Wants)を考えさせることも
我慢をさせる自律心のトレーニングもさせずに
親の判断でモノを買い与えてばかりいては
「もっと欲しい」という欲望に毒されない方がおかしい
です。

それからもう一つ、忘れてはならない重要なことがあります。
子どもの問題行動は、子どものメッセージであり訴えである
ということです。

万引きは犯罪行為です。
許してはいけません。断固たる処置をとるべきです。
しかし、なぜ子どもが万引きをしたのか、という子どもの心理にも
目を向けなければなりません。
起きてしまった問題の責任をどう取らせるかということばかりに目を向けていては
恐らく、同じことを何度も繰り返すでしょう。
根本的な原因を探ることが絶対に必要なのです。

そして、その原因はほとんどの場合
「自分を見て欲しい」「もっと私のことを考えて」という
子どもの切実なメッセージなのです。

子どもは意図的に問題を起こしているわけではないと思います。
けれど無意識のうちに、親の急所となるような問題行動を取り、
そのことに対して親がどのような行動を取るのか
じっと観察しているのです。

子どもは自分が悪いことをしたときに叱ってくれるのを待っています。
叱ると言う行為は、愛情がなければできないことであると
子どもはちゃんと知っているからです。

以前、某大手スーパーの店長から万引きについてお話を伺ったことがありますが
最近は万引きをした子どもの保護者に連絡をしても、
子どもを引取りにも来ない場合が多いそうです。
自分で起こした問題は自分でなんとかしなさい、と言って
突き放すのだそうです。
あるいは迎えに来ても、子どもの不祥事を詫びるどころか
「払えばいいんでしょ」と開き直る事例も多いのだそうです。

どんなに一生懸命子育てしていても
それでも子どもと心がすれ違ってしまうことはあります。

子どもの問題行動というのは、そういう時に起こるものです。
つまり、子どものメッセージであり訴えなのです。
そして、子どもと向き合いなおすチャンスなのです。
だからこそ、問題行動だけをとりあげるのではなく、
子どもを守り、
「あなたのことを愛している」というメッセージを
送らなければならないのです。

それは、やってしまった悪いことに対しては毅然と子どもを叱り
それでも親は身を挺して子どもを守る、という態度が求められるということです。
万引きの事例で考えるならば、
自分の事は自分で解決しろと突き放すのではなく(これは放任です!)
親として子どもに真っ向から向き合い説教をする、
そして社会に対しては、
子どもが起こした不祥事には、親は土下座をして謝る覚悟が必要である、
と言えるのではないでしょうか?

親は親、子どもは子どもという個人主義が浸透していますが
子どもに「自分のした事は自分で責任を取れ」と言えるのは
あくまで子どもがその責任を負える範囲でのことです。
社会的な逸脱行為を起こした時に責任を取るのは
子どもではなく親である
ことを、
私たち親は絶対に忘れてはいけないのです。

トラブルはないに越したことはありません。
けれど、どんなに注意をしていてもトラブルは発生します。
一番大切なことは、
トラブルにどう対処するか、ということです。
親としての取るべき道を間違えさえしなければ
トラブルは、親子双方の問題解決処理能力を高め、
さらには親子の絆を深めます。

ですから、繰り返します。
お金(お小遣い)が子どもの万引きの原因にはなるのではありません。
子どもとコミュニケーションを充分にとらず、
モノやお金を与えっぱなしにするから万引きは起こるのです。
そして万引きに限らず、子どもの問題行動は
子どもから大人へのメッセージであることを忘れないでください。
テーマ:子育て・教育
ジャンル:学校・教育
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2007/09/05(Wed) 16:48 |   |  #[ 編集]
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